誠の華−ヒルガオ−




「雪、平助、噂は聞いてるわよ。貴方達、大活躍ね!池田屋事件に禁門の変!江戸でも大きな噂になっていたのよ!」


「嫌だな〜、そんな大したことないのに〜」


ミツにそう返すものの雪の顔は満更でもない。

「あ、そう言えば平助何か言いかけてたけどどうかした?」


言葉を遮られてすっかり落ち込んでしまった平助を思い出して聞くと「なんでもない」と笑って誤魔化された。


哀愁漂う横顔から何か大事な話だったのではないか、と察するがミツを蔑ろにする事も出来なくて続きを聞けずに私達はミツを連れて試衛館に戻ったのだった。


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