誠の華−ヒルガオ−
「ははぁ〜ん、お雪ちゃん。あなたついに総司への想いに気付いたのね?」
「なんっ、なんっ、なんっ、なんでそんな!!」
ミツの言葉に顔を真っ赤に染めて慌てふためく雪にふでとつねは口元を隠しながら声を出して笑っていた。
「雪は分かりやす過ぎるのよ。でもこれで納得できたわ。雪ってば去年よりも見違えるほど綺麗になったんだもの。きっと総司君に恋をしているからなのね」
「へえっ?!私、今綺麗なの?!」
両手を頰に当ててつねに詰め寄る。
そんな姿にもみんなは笑っていた。
「これはお雪が嫁に来る日も近いわね!」
「おミツさんったら…。総司は私の事を妹くらいにしか思っていないからお嫁はさすがに無理よ」
そう言うとさっきまでキャッキャ言っていた三人が途端に静かになった。
急にどうしたのだろう、と首をかしげるとおミツさんは「雪が嫁に来る日が遠ざかった」と項垂れていた。