誠の華−ヒルガオ−



「この石は京で総司と平助と一の四人で立ち寄ったお店で貰ったの。これは病や自分の身に何か危険が迫った時に変色したり割れたりするんですって。今のところ私達四人の石は綺麗な青緑色のままよ」



そう言うとミツは安堵したのか、表情が和らいだ。


「良かった。私は総司にもし何かあったらこの先生きて行く自信がないわ。もちろん、雪にもね」


「え、私も?」


「当たり前じゃない。あなたは私の妹でしょう?」


「…そうだった」


そう言って笑い合いながらミツは私を優しく抱きしめた。


暖かくて、優しい。


いつぶりかの抱擁にこの一年で溜まった鬱憤の半分以上が浄化された気がする。


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