誠の華−ヒルガオ−




それから数日後、平助が新入隊士としてある人物を連れてきた。


「伊東甲子太郎と申します。どうぞ宜しくお願い致します」


「実は彼を参謀として迎え入れようと思う」


共にいた勇さんはそう言った。


その時、私の胸には言いようのない不快感が広がっていたが誰にも言うことはできなかった。


何故、歳さんや山南さんを差し置いて新入りを参謀にするのか。


何故、勇さんは伊東さんのご機嫌ばかり取るのか。


聞きたいことや不満は溢れるが平助のお師匠様だと聞いた暁には何も言うことが出来ない。


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