誠の華−ヒルガオ−
私達の視線に気づいた山南は苦笑を浮かべると私達を手招きした。
「知りませんでした。山南さんに恋人がいたなんて」
「こんにちは、あちきは明里言います。どうぞよろしゅう」
上品な廓言葉に彼女が遊女だと言うことを察する。
「明里さんは島原の方なんですね。私の友人も島原で働いでるんですよ」
小鈴って言うんです、と言うとなんと明里と同じ置屋だった。
暫く話を弾ませると総司が気を利かせてそろそろ、と席を立った。
二人に手を振って別れると総司と安堵の笑みを浮かべる。