誠の華−ヒルガオ−




私達の視線に気づいた山南は苦笑を浮かべると私達を手招きした。


「知りませんでした。山南さんに恋人がいたなんて」


「こんにちは、あちきは明里言います。どうぞよろしゅう」


上品な廓言葉に彼女が遊女だと言うことを察する。


「明里さんは島原の方なんですね。私の友人も島原で働いでるんですよ」


小鈴って言うんです、と言うとなんと明里と同じ置屋だった。


暫く話を弾ませると総司が気を利かせてそろそろ、と席を立った。



二人に手を振って別れると総司と安堵の笑みを浮かべる。



< 221 / 258 >

この作品をシェア

pagetop