誠の華−ヒルガオ−




その後は山南さんに頼まれた数馬に引きずり出された。


山南さんと過ごした思い出が頭を駆け巡る。


初めて出会った他流試合。


試衛館に来てからは稽古をつけてもらいたくて総司と山南さんの取り合いをした。


夏は川で水遊びをして私と山南さんの戦略で歳さん達に勝ったし、冬は雪合戦をしてみんなでお汁粉を頬張った。


悪いことをした時は叱ってくれて、辛い時は側にいてくれて慰め、励ましてくれて、背中を押してくれる。


いつだって助けてくれた。


なのに、私は山南さんに今まで何もしてあげられなかった。


心の底から尊敬していた。


大好きだった。


何で、何でいなくなっちゃうの。


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