誠の華−ヒルガオ−
弥生
伊東さんは御陵衛士を拝命して平助や一君を始めとする複数の隊士を引き連れて新撰組を抜ける事になった。
それを聞いた時、私は腹の底から沸き起こる怒りをぶちまけるようにして一君に怒鳴り散らした。
「恩義があるって言ったじゃない!行くわけないって言ってたじゃない!!全部嘘だったの?!一君の勇さんに達に対する忠誠心ってそんなものだったの?!」
私の言葉に一君は「すまん」と謝るだけでそれ以上は何も言わなかった。
その態度が余計に私を苛つかせ、一君の頰を思いっきり引っ叩くとその場を走り去った。
だからこの時、一君がどんな顔をしていたか私は知らない。