誠の華−ヒルガオ−




少し緊張しながら総司の顔を伺うと悔しそうに顔を歪めながら私に背を向けた。


それは私の告白を受け入れられない、と言う事なのだろうか。


「僕は、雪を妹にしか見れない」


雷に打たれたようだった。


平助も、同じ気持ちだったの?


こんなに好きなのに、届かないって、こんなに苦しいの?


立ち去ろうとする総司の背中がボヤけてうまく見えない。


「ゲホッ…ゲホッゲボッゲホッ」


でも総司が膝をついて咳き込んだ時、そんな気持ち全て忘れて駆け寄っていた。


「総司っ!ちょっ……!」


しかしそんな私を無慈悲にも突き飛ばした。


側に居られるのも嫌なのか、と再び涙が溢れそうになるがすぐに異変を感じる。


「ねぇ…大丈夫……?」


「ゲホゲホゲホッ…カッ」


漸く咳が落ち着き、再び恐る恐る総司に近づくとドクンッと心の臓が強く脈打った。



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