誠の華−ヒルガオ−
「とs…じゃなくて、副長。明日から私に食事を作らせてください」
そう言って頭を下げると歳さんの戸惑うような声が聞こえた。
「お前、食事を作らせてくださいって…どれだけの量が必要か分かってんのか?!」
「もちろん分かってます。でも失礼ですがこの食事では充分な栄養が足りません。お願いします」
「お前が良いなら別に構わねえが…」
確認を取るように近藤、山南に視線を向ける土方。
「雪の作る飯が食べられるならもちろんそれが一番良いが……やはりお前1人には荷が重すぎないか?」
眉をハの字にして雪を見つめる勇に山南が提案をしてくれた。
「ならば今まで通り隊士達の食事当番は継続させて、彼等に雪の補佐をしてもらうのはどうでしょう」
確かにそうして貰えたらとても有り難い。
それに何よりもその提案に漸く勇等の顔が明るくなっている。
「それが良い。では明日より雪は食事当番の隊士と共に朝と夜の食事を頼む」
「承知いたしました」
正式に局長から許可が降り、雪は明日から食事を作る事になった。
一部始終を見ていた沖田の眉間には深い皺が刻まれていた。