誠の華−ヒルガオ−
断末魔の叫びを上げながら何とか寸前で煮物を死守した。
目を見開き、ぜえぜえと荒い呼吸を繰り返す雪の姿は妖と見間違えてもおかしくない。
現に隊士達は雪を見て震えている。
「ごめんね、やっぱり盛り付けは私がやるから配膳だけお願い」
隊士達に盛り付けを頼んだ私が全て悪いんだ。
彼等は何も悪くない。
もうすぐ朝餉の刻だ。
それから雪は目にも留まらぬ速さで盛り付けを済ませ隊士に配膳をしてもらった。