誠の華−ヒルガオ−
雪は疲れ果て、ボーッと一点を見つめながらご飯を一口ずつ口に入れていく。
味なんてわかるわけがない。
しかし周りの者は久しぶりのまともな食事に心を躍らせているせいで雪の姿は全く視界に入らない。
「さすがお雪だ!やっぱりお前の飯は日本一だ!!」
「おいコラ。何勝手に人の飯に手出してんだ」
「喜んでもらえて何よりです」
原田、永倉の声に無意識で答える。
空になってしまったお椀の中に尚も箸を入れ、ないものを掴み口に運ぶ作業を繰り返していると"誰か"に箸を取り上げられた。
「あれ?」