誠の華−ヒルガオ−




見上げるとあらびっくり。



私のことを避け続けていた総司が私の箸を持っていた。



「ちょっと、返してよ!」



「何で。もう茶碗は空っぽだよ」




総司に指摘されて漸く気がついた。



私は一体今まで何を食べていたんだ。




「出掛けるよ」



「わ、ちょっと!!」




箸を置くと突然グイッと手首を引かれ連れ出された。



なんて乱暴な。




心の中で総司を蹴り飛ばして少し気を晴らす。



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