誠の華−ヒルガオ−
引っ張るなと言っても無視をされ、どこへ行くのか聞いても無視される。
お前は一体私と何がしたいんだ。
大体この一年半あまり私を避け続けていたくせになんなんだ。
沸々と湧き上がるイライラを何とか押さえ込みながら総司に引っ張られること四半刻。
「着いた」
今まで黙りを決め込んでいた奴が口を開き、眉のつり上がった顔を上げると今まで感じていたイライラが風に吹き消されたかのようにスーッと消えていった。
「ここは僕のお気に入りの場所なんだ」と穏やかに微笑んだ総司。
笑った顔を見たのなんていつぶりだろう。