誠の華−ヒルガオ−




賑やかに巡察を行なっていると突然総司が足を止めた。



後ろを振り向くと隊士達まで顔を険しくさせている。



一体何が、そう思っているとワラワラと10人程の浪士達が一番組を囲むようにして現れた。




「新撰組の沖田だな」




主犯と思しき男か総司に問いかける。




「そうだよ。お前達は一体何者?」



「今から死ぬ奴に名乗る必要はない。お前ら、かかれ!」




吐き捨てるように男が言うと取り巻きは一斉に襲いかかってきた。




ーーーーーザシュッ


「ぎゃぁぁぁあぁぁぁぁあ!!!!!」



「僕にだけ名乗らせて自分は名乗らないだなんて随分卑怯だね。雪、死にたくなければ僕の後ろに隠れてな」




「わ、かった…!」




表情を変えず躊躇なく浪人を斬り捨てた総司に今まで感じたことのない恐怖を感じた。



< 43 / 258 >

この作品をシェア

pagetop