誠の華−ヒルガオ−
視界に入るだけで殺されてしまうのではないかと思う鋭い目と只ならぬ殺気。
それを醸し出しているのは新撰組副長、土方歳三だ。
怖い。
腰が抜けそうになっていると、勇さんの優しい声が部屋に通った。
「君が入隊を希望している青年だね。一から聞いたよ」
喋るな、と一にきつく言われていたため頭を軽く下げた。
「局長、副長、こいつを入隊させるか否かの判断は試験を行うのはどうでしょうか」
「良いだろう。今日は一番組が稽古をしているから試験は総司にしてもらう」
ドキッ
総司の名前が出た途端、心臓が飛び跳ねた。
会いたいと強く願っていたものの別れ方がよくなかったが為に会いづらいと言うかなんと言うか。
………………一体私は誰に言い訳してるんだ。
頭を振って雑念を消すと道場へ向かおうと退室しようとしている一向に続いて私も道場へ向かった。