誠の華−ヒルガオ−
「何しけた面してんだ。お前の歓迎会だぞ」
雪の気持ちを知っていてニタニタと口角を上げる土方を睨みつける。
「私のこの複雑な気持ちは女にしか分からないわよ。どうせここに来たいって言い出したのも新八さんでしょう」
鼻の下を伸ばして遊女に絡む永倉を恨めしげに見つめる。
そんな雪を肴に酒を飲みながら土方はククッと喉を鳴らして笑った。
「歳さんも私みたいなお子様に構ってないで綺麗なお姉さん達と遊んでくれば」
出された美味しい食事をむしゃむしゃと食べながら去れ去れ、と手を振って土方を追い払おうとするがもちろん効果なし。
「そう言えば敬語外したんだな」
「隊士達がいない時は良いでしょう?」
「気をつけろよ」
素っ気なく返すものの懐かしさのあまり上がってしまう口角を隠すようにしてお酒を飲む土方。