誠の華−ヒルガオ−




「ん?あの人は誰だろう?」



視界の端で仲睦まじそうに寄り添う土方達を見つけ、疑問が口から溢れた。


「副長の馴染みの女郎だ」



雪の独り言を拾ったのは一だった。



「そうなんだ」



土方が女の人と一緒にいるのはよく見たことがある。



でもなんだかあの人は今までの人とは違う感じがする。



そう思うのに理由は浮かばないが、雪の感がそう叫んでいた。



「ま〜た土方さんは君菊さんとお戯れですか!」



「いつものことじゃん!目障りなものは視界に入れないほうがいいよ総司!!」




お酒のせいなのか、いつもより大きな声で更に辛辣な言葉を繋ぐ総司と平助。




無論、土方の耳には届いている。




それを証明するかのように土方は怒りと照れで赤くなった顔のまま総司達の元へ行くと、強烈な拳骨を落としていた。



< 59 / 258 >

この作品をシェア

pagetop