誠の華−ヒルガオ−




「ここの甘味処は白玉が美味しいらしいよ」


「お店の名前は華だって!可愛いねえ!!」



平助が店のオススメを教えていたが、雪には聞こえていなかった。



平助、哀れなり。



「こちらの席へどうぞ」



二度見、三度見はしてしまうほど美しい店の女将に席へ案内されると私達は白玉を4つ注文した。



総司は足りない、だのなんだの喚いているが全て聞こえないものとする。




「お待ちどうさま」


「わぁーー!ありがとう!!」


「いいえ。たくさん召し上がってくださいね」


「女将さん、京訛りがありませんね。出身はどちらなんですか?」


「まぁ沖田さん、よく気づきましたね。実は江戸の生まれなんです」


「なら僕と同じですね!」



女将さんと会話を膨らませる総司を尻目に私は白玉を無心で頬張った。



この白玉、甘すぎなくてモチモチ感も堪らない!!


雪が幸せそうに食べている最中、平助と一は目を合わせると一度頷いた。



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