誠の華−ヒルガオ−
「はぁー美味しかった!総司、随分お凛さんと仲良くなったみたいだね」
「どうしたの雪。もしかして妬いてるの?」
雪は小さく溜息を吐くと、軽く一度だけ総司の脇腹を肘で殴った。
「違うわ。どうせ三人は歳さんに何か頼まれているんでしょう?最近苛々してる歳さんが私達に甘味処へ行ってこいだなんて、何か裏があるに決まってるもの」
そう言うと観念したかのように一がポツリ、ポツリと話してくれた。
何でもここ数日の間に多くの中流武士が異様な死を遂げでいるらしい。
しかもそれはあの甘味処、華が商いを始めた日から起こったのだとか。