誠の華−ヒルガオ−




人を払い除けた道場には私と歳さん、そして見張り役の勇さんの三人しかいない。



新撰組には局中法度と呼ばれる厳しい法度があり、その中の一つに【私ノ闘争ヲ不許】がある。



簡単に言えば喧嘩をしたら切腹ですよって事。



だが私と歳さんは飽くまでも”稽古”をするんだ。



勇さんは……そう、審判。



互いに木刀を持ち、深呼吸をすると同時に地を蹴った。



ガガンッ


「あら、歳さんてば文机での仕事ばかりで体力落ちたんじゃないの?」


「は、舐めるな。まだ始まったばかりだ!!」


パシッ

一度弾き飛ばされ、体制を整える隙も貰えずに技を繰り出される。



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