誠の華−ヒルガオ−




「守りばかりだといつまでも終わらねえぞ」


「そう簡単に終わらせて溜まるもんですか!」


「相変わらずな減らず口だな。だが、口が達者でも力は所詮女だ」



勝利を確信し、雪に木刀を振り下ろしたところで土方は雪の姿を見失った。



「歳さん、後ろだよ」



雪の声で後ろを振り返ると、自身の額に触れるか触れないかくらいのところに木刀があった。



「勝負あったな」



勇が労わるように2人の肩をポンポンと叩いた。



「歳さん、ありがとうございました」



雪が素直に頭を下げると土方も黙って頭を下げた。



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