誠の華−ヒルガオ−
「歳さん、最近凄く苛々してるよね。あんまり抱え込みすぎると早く皺々になっちゃうよ!」
「うるせぇ!余計なお世話だ!!放っとけ!!!だが…お前のお陰で少し鬱憤が晴れた」
「ふふ。どういたしまして!さ、歳さんも勇さんもお仕事頑張ってね!!私は夕餉の支度しなきゃ!!」
バタバタバタと木刀を肩に担いで走り去った雪に「走るな!」と土方が怒鳴るが、聞こえていなかったのかそのまま走り去った雪に溜息を吐いた。
道場に二人きりになってしまった近藤、土方。
「歳、平和な事はいい事だ。あまりいらぬ事で鬱憤を溜めるんじゃないぞ。最近は隊士達がお前を見て怯えながら食事を取っているしな」
近藤は気付いていた。
土方が平和な京に苛立ちを覚えていたことを。