誠の華−ヒルガオ−




「今晩の巡察は一番組と二番組でしたね。総司、雪、新八、呉々も気をつけるように」


「「はっ」」


山南の言葉に返事をしなかった永倉をチラリと見ると何か考え込んでいるのか、腕を組みながら目を瞑っていた。


「新八さん?」


「……んぁ?」



遅れて返事をした永倉に眉間に皺を寄せながら「大丈夫?」と尋ねると、頭をクシャッと混ぜられて流されてしまった。


変な新八さん。



特に気に留めず退室して行く幹部達を見送ると近藤、土方、山南の前に座りなおした。



「もし今夜の巡察でまた死人が出たら、私の力を使ってもいいですか?」



「そうだな。そいつが生きかえりゃ何かとこっちも都合がいい」



「ありがとうございます。では本日も華へ行って参ります!!」



三人に頭を下げると雪は廊下を駆けて行った。



「廊下を走るなっっっ!!!」



無論、土方の声は聞こえていない。



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