誠の華−ヒルガオ−
白玉を食べ終え、お勘定まで済ませるとお凛さんが店の外まで見送りに来てくれた。
「お凛さん、最近この辺でよく死者が出るの。被害者はお武家様だし深夜だから大丈夫だと思うけど気をつけてね」
「…えぇ、心配してくれてありがとう。でも私は大丈夫よ。いつもお店を閉じたらすぐ寝てるから」
「…そう、なら…良いんだけど。また明日も来るね」
お凛に手を振りながら店を後にし、物乞いの側を通り小さく頷いた。
その物乞いは新撰組 諸士調役兼監察方の山崎烝である。