誠の華−ヒルガオ−
それからの三日間は大忙しだった。
まぁそれも当たり前だ。
遊女達は幼い頃から禿として何年も稽古を重ねて一人前の芸妓となる。
それを三日で習得しようとしているのだから無理もない。
にしても、私に芸妓の真似事だなんて出来るのかしら。
白粉を塗られ、唇には真っ赤な紅。
頭にはなんだか分からない金きらした棒をたくさんぶっ刺されるし、着物はアホみたいに重い。
鏡台に映る恐ろしく醜い自分の姿を見て溜息を吐くと、空かさず支度をしてくれている山崎と芸妓の小鈴さんが反応する。
「どこかおかしなとこでもありんしたか?」
鈴みたいに可愛らしい声で話す小鈴さんに心配かけぬよう笑って否定したもののやはり心は晴れない。