内実コンブリオ



「ほんまに何なんやし、それ」



まだ目を合わせてすらくれないが、顔をあげた先輩は全く知らない人だ。

恐ろしくなり、思わず黙り込んでしまう。

合間あいまで風がやむと、太陽の暖かい日差しが身体まで届く。

それが自分には暑い、とまで感じてしまう。

しかし、秋に頬を伝うこの汗、これは多分冷や汗だ。

いよいよ心が折れそうな予感。

どうすればいいのか、逃げ場がわからなくなってきた。

今追い撃ちをかけられれば、せっかくここまで保たれた精神が砕けてしまう気がする。


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