内実コンブリオ



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さっきは華ちゃんからやっと呼び止められて、何を言われるんかと思ったら、謝られた。

相手が相手やから、俺にとったら案の定これかという感じではあった。

…というより、俺としては早く気づいてくれ!

こんだけやっといて、本気で怒ってはないんやで。

だんだん自分が何やってるんかもわからんくなってきた。

なんか冗談で感じ悪い態度とりはじめてみたけど、後戻りできやん様になってしもうた。

どうしよう、俺!

どうしたらええんや、俺!

本当に大人も子供みたいなもんやな。

ここまで来てから、今更になって取り返しのつかんことになっとる、と気づいたところや。

さて、どうやってこの永遠と続く負の状況を展開していこうか。

そうして、仕事に戻ろうと出入口へ向かおうとした時、何やら良い香りが鼻をかすめる。

食堂の換気扇かららしい。

お腹が欲しがる様に音を鳴らした。

あ、そういえば昼飯を食ってへん。

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