内実コンブリオ
「…とりあえず、上の資料を取らせていただけませんか」
「…ゆ…おわ………で…」
「え?」
「この気さく美人で有名な私がプロレス観るのが趣味なんて誰かにばらしたりなんてしたりなんてしたらただじゃおかんで!!」
「…言いません」
なんてことだろう。
こんなにも長い台詞を、彼女は息継ぎも無しに言い切ったのだ。
アナウンサー並の滑舌に思わず圧倒されてしまった。
というより、ばらすもばらさないも、勝手にばらしているのは彼女だ。
「本当に?」
「…言いません」
「よし、ならいい!あなた、めっちゃいい子やな!」