内実コンブリオ



「ふーん、なるほど。そういうこと」



最初は「単に動くことが面倒だからさ、あはは」と言ってごまかそうとしたのだが、そんなものは彼女には通用しなかった。

そもそも、理由が苦しすぎたか。

またも正解することは出来なかった。

少し悔しい。



「とにかく角野さんと気まずい、ってそういうことね」

「うん…」

「気まずくなった理由もわからない、と」

「うん…」

「なるほど」

「うん…」

「意味がわからん」

「うっ…」



思わず、図星がグサッと突き刺さった。

確かにそうかもしれない。

今の自分の説明では、わかりにくい、と思う。

でもそうなるのも、話したことにそれ以上がないため。

これ以上を聞くのは勘弁してほしい、仕様がないの。

だって、自分でも、わからないんだから。

いろいろ考えることすらも億劫になる。

こればっかりは許してほしい。

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