内実コンブリオ



お茶を運んできてくれた本人をみて、思わず凝視。

の後の不自然な作り笑い。

そんな俺の目をしっかり見て、会釈をしながら微笑んでくれた相手とは。

その微笑みの中にうっすらと見える、隠しきれていない困っている様な彼女の感情が、相変わらず俺の胸を締め付ける。

すると、彼女の口がゆっくり動いた。



「あ、あの…!」



もしかして、また意味もなく謝られるのかと、かまえて次を待つ。



「無理せず、休憩も挟んでください…ね」

「お、おう」



意外な台詞に驚きを隠せないまま、返事をした。

すると、これは一体、どうしたことやろう。

静かに嬉しそうな表情を見せる。



「で、ではっ。失礼します…!」



駆け足で去っていく背中を見つめた。

その後ろを森緒が追いかける。

また馬鹿でかい声で叫んどるわ。
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