内実コンブリオ
******
不思議なことに白いシーツ、ベッドの上に横たわっていた。
あたりを見渡し、周りに覆われている薄汚れたカーテンに映る人影を見つけた。
さっきまで一緒に居てもらった相手か。
「せ、先輩…」
「あっ、気づいた?!」
ひょっこりと顔を覗かせたのは、自分が想像していたのとはまた違う人物、森緒ちゃんだった。
「大丈夫?なんか変なとことかはない?!」
「…へ、平気」
「よかったー。びっくりしたんやからな!華が倒れた、って角野さんが慌てて私のところに来てさ…
めっちゃ心配しとったよー」
「角野、先輩が…?」
あんなに怒っていたはずなのに、心配してくださった…?
しっかり怒鳴られたすぐ後なのに。
上体をゆっくりと起こした。
「あ、無理しやんとき。華、ストレスと過労やって。いろいろ考え過ぎっちゃう?」
「そんな、全然…」
「考え過ぎっていうか、被害、加害妄想が強いんちゃうん?」
何も言えない。
森緒ちゃんの言うことが正解な気がした。