内実コンブリオ

突然立ち上がったかと思うと、俺の方を見…

俺の方ではなく、水川の方を向いている。

次の瞬間、俺は衝撃的な経験をすることになる。

まさか初めて聞くことが出来た咲宮 華さんの第一声がこれだなんて。



「なんだよ」

「…そっちこそ何ですか？そんなにかまってほしいん？」

「なっ…？！」



何故か水川の顔がボッと火が出たかの様に赤くなる。



「おまっ、ばっ、馬っ鹿じゃ…

「アホ曝すんもいい加減にして、ください」



なんてこった。

やっと聞けたってのに、一番最初がなんて咲宮さんには似合わないセリフなんだ。

さらに、第一声は俺にじゃなく、水川に向けられた。

ちょっと悔しい。

そして、何気に気になった事がもう一つ。

水川だ。

なんだこいつ、なんでまだ顔がゆでダコ状態なんだ？

…まさかな。やめてくれ、絶対に。全力で祈るわ、俺。