内実コンブリオ

学内に入る。

受付、知り合いの教授とあいさつや世間話を済ませ、辺りを見回すが案の定、先輩の姿は見当たらない。



「会場は2階になります。今日は、よろしくお願いします」

「ありがとうございます。こちらこそ、本日はお世話になります」



相手の女性の首からかけられた名札には「教学課」と書かれていた。

自分はぺこりと頭を下げ、階段を上った。

2階の会場に入ると、既に他社の社員さんたちが、発表や配布物などの準備をしながら、待機していた。

80分で4社が発表する、と聞いている。

ここにいる人たちは、残りの3社の方々と、大学の職員さんたちだ。

おはようございます、と会釈して、それらの皆さんの前を通過する。

さあ、自分も1人で出来ることはしてしまおう。

準備をし始めようと座った斜め前に、男性2人が楽しそうに会話をしていた。

社内環境もよっぽどいいんだろうなー、と横目で少し見る程度だった。

最初は、何も気にはしていなかった。
< 172 / 393 >

この作品をシェア

pagetop