内実コンブリオ



みんながまだか、まだかと待ち望む夏休みまでカウントすると、あと1日。

じゃあ、明日って言えよって言わないでよ。

で、明日から夏休みだってのに、今日は雨。

とにかくザーザー降っている。

どうでもいいが、雨の日は朝が起きづらい。

しかも、朝なのに部屋が暗くて、気分もダークになる。

そのせいか、学校に着いても気分はダークなままだ。

何でも嫌な予感がすることは確かなのだ。

今の俺にとっては、昨日の今日だから、さらにそう感じる。

たくっ、水川の野郎。一体どんなタイミングで指示してきやがるんだ。

授業の始まって10秒後とか絶対やめろよな。

俺が望むなら、シチュエーションは、基礎的なところからいけば、2人きりで、だ。

でも多分、それは絶対無理な話だな。

あいつ、水川のことだから。

しかし、何で俺はそんな馬鹿な命令にいつも従おうとするんだ?

俺はそんなに「友達」という言葉が恐いのか?

自分のことなのだから、自分にしかわからないのだろう。

そうは思うが、正直俺にはよくわからない。

が、今さらになって告白の他にもう一つ、心に決めたい思いが、新たに出来た。

俺は強くならなければならない。

いい頃加減、ゆらゆら流して生きている自分自身に苛立ってきた。

今まで生きてきたが、好奇心という好奇心があったのはおそらく小学4年生までだ。

それ以降からは、だんだん心の底から何やらというのはなくなっていた様に思う。

しかし、今は変わるきっかけがある。

見ているだけで幸福を感じることができる程の好きな人ができた。

あの子のおかげで童心の熱が帰ってきた気がする。




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