内実コンブリオ



「イシダ ミカン、好きなの?」

「うん、めっちゃ好き!」



自分がそう言うと、栗山くんは一瞬、静止したように見えた。

とりあえず、それは気にしないとして、今、二人の話題になり始めた人物を説明すると…

イシダ ミカン。

女優、タレントとしてテレビで忙しなく活躍している若い女性だ。

かわいくて、出演番組の中でも礼儀正しい振る舞いや言葉遣いをしている。

見ているだけで、とても和む。

個人的に、とても大好きな女優さんだ。


元々、好きになったきっかけというのも、彼女のデビュー作でもある2、3年前に放送していた戦隊ヒーローからだった。

イシダ ミカンさんは、ピンクの役をしていた。

可愛いのに、凛としている。

そのキャラクターに、グッと胸を惹かれたのが、始まりだった。

それにしても、こんなところで栗山くんと趣味が合うなんて、思ってもなかった。

会話に困っていた自分からすれば、非常にツイている‼



「すっげぇ可愛いよんなー」

「うん、デビュー作から観てたよ」

「え、デビュー作って何?」



嬉しそうな栗山くんを見て、意外な一面を今日だけでたくさん見ている。

たくさん見ているけど、その栗山くんのたくさんある表情に、自分は小さく驚いていた。
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