内実コンブリオ
とにもかくにも自分はこういう時、薄気味悪い感覚に陥るのだ。
「大丈夫…?」
自分が森緒ちゃんに問うと、森緒ちゃんは少し目を見開いた。
そして、すぐに目線を下に落とす。
森緒ちゃんの目線は、そのまま弁当を見つめていた。
なんか、ごめん、と言いかけたのと、かぶせる様に森緒ちゃんが話し始めてくれたのだ。
「あのな…?私な、彼氏に酷いこと言ってしまったんさ…」
「酷いこと?」
「うん。一昨日の夜に。本当は昨日、聞いてもらおうと思とったんやけどな」
昨日…?
昨日、自分は何年か振りのあの人と約束をしていたため、急いで帰ってしまっていた。
そういえば、給湯室から出てきた森緒ちゃんに、お茶をしようと誘われたことを思い出した。
その前の夜に、何かがあったということか。