内実コンブリオ
トイレと鏡と向き合う。
至って、普通の顔をしている。
容姿のことを言っているのではなく、現在の気分、表情のことだ。
うん、大丈夫。
至って、普通だ。
森緒ちゃんが居ないからって、寂しがって居てはいけない。
それを思っていたからか、顔には出ていない。
それを確認でき、安心した。
さて、まだ時間に余裕があり過ぎる。
自販機コーナーで、ホットコーヒーでも買っていこう。
そう決めて、早速トイレから出ると、人が歩いてきているのを感じ、すぐさま避けた。
「華ちゃん」
名前を呼ばれ、振り向く。
この呼び方をする人と言えば、たった一人しかいない。