内実コンブリオ
「あらら?」
かと思えば、突然に森緒ちゃんは立ち止まり、不思議そうな声を出す。
彼女の背中で鼻をぶつけた自分は、鼻をおさえながら、改めて彼女の視線を辿っていった。
その先には、ある家の前にて、佇んでいる人が居る。
その人は、えらく体つきが良い。
「まさか」
自分は思わず、呟く。
小さく呟いたつもりだったが、森緒ちゃんはそれに素早く反応する。
「そのまさか、やで。
ていうか、家の中で待っとって、てメールで言ったのに、何で外に出とるんやろ」
森緒ちゃんの顔色が、少し曇り始めた。
自分は不思議に思い、その表情を見つめた。
体つきの良い彼と距離を縮めるにつれ、森緒ちゃんの顔も、より力が入っていく。