内実コンブリオ
どんどん雰囲気は、険悪になっていく。

先ほどまで、ギクシャクしてはいたが、少し森緒ちゃんの陽気さがあり、耐えられた。

しかし、今は部外者の自分でも、いや、部外者だからこそ気まずいのだ。

確かに、自分の役目とは何だろう。

未だに、わからない。

おどおどしつつ、回らない頭でまた考えようとした。

自分がそんな風にしていると、森緒ちゃんは一歩前に出る。



「華は中和剤!私が酸性で、あんたがアルカリ性!!」

「森緒ちゃん…思い付きで喋っとる?」

「うん。思い付きで喋っとる…」



森緒ちゃんは、不安そうな表情をする。

そして、自分にしか聞こえない様な小さな声で「どうしよー。私、むっちゃ強がっとるよー」と言う。
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