内実コンブリオ
二人でヒソヒソ話していると、とうとう彼の口が、開いてしまった。
「何だよ。つまり、俺とは正反対だから、一緒に居られない…ってそういうことかよ」
「誰もそんなこと言ってませーん」
「何だよ、その態度!」
「そっちこそ、せっかく会えたんやから、もっと楽しそうにしてよ!」
「はぁ?!そっちこそ―
「あ、あの…とりあえず!」
今、自分でも驚いている。
まさか、人の間に入る日が来るなんて。
でも、このままでは、事態は進まない。
何だか、そんな気がした。
しかし、改めて二人の顔を見てみると。
森緒ちゃんは目と口を丸くして、驚いているが、彼氏さんの方は、とても険しい表情である。
早くも自分は、ここで後悔した。
心臓がドキドキではなく、ドクドクと言っているのだ。
心臓のポンプが、喉の辺りまで何かを押し上げている様な感覚がする。
自分の顔は今、青くなっているかもしれない。
ひどく気分が悪い。