内実コンブリオ
「とりあえず…場所を、変えません、か?」
自分がそう言って、少し間を置いた後。
「うん。そうしよか」
森緒ちゃんが、少し表情を柔らかくして、答えてくれた。
彼氏さんからは、小さく舌打ちが聞こえた、ような気がした。
そして、今度は3人で、車を止めた有料駐車場へと向かう。
しかし、それにしても、喧嘩の仲裁に入るって、とても勇気がいることだったんだ。
わかってはいたつもりだったけど、空気が恐ろしく怖かった。
自分が人の間に割って入ることは、おそらく、もう二度とないかもしれない。