内実コンブリオ
夕方、お父さんとお母さんは自分一人をおばあちゃんの家に残し、家へと帰ってゆく。
「じいやんが家で待っとんでさ。ありがとうな。華に食わせたってぇ」
そう言って帰っていった。
す、すごい…。
その夜のおばあちゃんの料理はまるで旅館の様なものだった。
翌日の朝になる。
外では、朝からあの有名な土地の牛乳屋さんのメロディーが流れている。
――もうそろそろ起きないと。
時刻は7時23分。
起きて、おばちゃんたちのいる部屋へ足を運ぶ。
「おはようございます」
「おはよう。むっちゃ眠そうやな」
「華ちゃんちは朝、パン?ご飯?」
「ご飯かな」
「わかった、朝ごはんちょっと待ってなー」
「あー、何から何まで悪いから手伝いますー!」
「えーよ、座っとんな」
「えー」
「えー、やないよ」
作ってもらった朝ご飯を食べている途中で、ゆきちゃんが話しかけてきた。
「決めた?どこ行くか」
「あの…あそこ!あそこ行きたいなて思て…!」