内実コンブリオ
「さっきから関係ないくせに口、挟んでさ…あんたは何なの?」
彼は非常に怪訝そうな顔で、自分を睨んだ。
情けないことに自分は、ちょっとした恐怖感で手に痺れの様なものまで感じていた。
自分がこんなことを言われているのは、彼の言う通りに自分が何度も口を挟み、二人の間に入ろうとしたから。
まるでそれは、ご飯を食している犬の、餌に手を出そうとするようなもの。
とても危険な行為である。
そうとわかっていて、そんなことをしたのは、二人に終わりが見えなかったから。
二人に終わってほしくはなかった。
そして、お互いにぶつかり合い、どちらも退こうとしない。
自分はキリがない、と思った。
このままでは、何も変わり様がない。
個人的な、本当に自己中心な考えだが、だからこそ、久しぶりに自分の意思を通したいと思った。
他人のことであるのに、全く可笑しな話だ。
よく冷えた水を一口、口に含む。
自分の恐がっているこの心を、まず落ち着かせた。
そして、しっかり彼に焦点を合わせる。