内実コンブリオ
ずっと相手の瞳をじっと見つめていた自分は、照れ臭くなり、先に目を逸らした。
「ぐ、グレープフルーツのサワーで」
少年のような眼をする彼に、自分は負けたのだ。
去っていく店員さんを見送りながら、どこまでも優柔不断な自分に、思わず、自分で肩を落とす。
何気なしに顔を上げると、栗山くんと視線がぶつかった。
かと思うと、彼は眉を下げた。
「あの…ほんとにごめん」
「え、何が?」
栗山くんは、更に顔をしょぼくれさせた。
「寒かったでしょ。連絡もしないで、外で待たせて、ほんとごめん」
「別にそんな…お気にせず。自分が外で待ってたのは、頭がそこまで回ってなかったからだし。それに、ほ、ほら!ちゃんと来てくれたわけだし」