内実コンブリオ
「ほぉ、ほぉ、ほぉほぉ。して、そのお相手は?」
口角と共にテンションをどんどん上げていく、森緒ちゃん。
ますます言いずらい。
そもそも何と言えばいいのか、そこを悩む。
「それは、えっと…昔から好きだった人」
「昔からって、どのくらい?」
「…中学のとき、から」
「へえ。恐いくらい一途やな。華らしい」
「引いた?」
「ううん。素敵やん」
森緒ちゃんは顔をくしゃっ、とさせて笑った。
その反応に安堵し、嬉しく思った。
自分はいい頃加減に、焼き上がったお好み焼きに目をやる。
タレ、マヨネーズ、かつお節そして青のりの順にトッピングをする。
続いて、ヘラを使い、四等分に分けた。
それをお互い、気分を高ぶらせながら各々、小皿へ一切れずつ移した。
お好み焼きを口に運びつつ、森緒ちゃんは尋ねる。
「昔っから好きってことは…実際に好きって、伝えたことは?」