内実コンブリオ



わけのわからない真実を聞いたけど、変わらない日常。

でも、自分はどうしてしまったのだろう。

視界が澱む、真っ黒に。

何てことをしてしまったんだろう。

自分が嫌になってきた。

もう人間観察なんてする心の余裕がない。

自惚れだと思っていたことが本当だった。

でも、喜べない。

そんな感情を自分は持っちゃいけない。

きっとあの人は自分もしていた様に気のある人を毎日目で追っては、幸福を感じていた。

これは自分の勝手な解釈で。

だって、自分がそうだったから。

毎日、勝手にあの人を盗み見ては、勝手に幸福になっていた。

せめて、あの人の今までがそうであってほしいと願う。

あの人の心の中に幸福がちゃんといてくれたら、よかったのに。









第2章*咲宮side 後編に続く。
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