内実コンブリオ





て、手が…いや、腕か…?

とにかくそこら辺が痛い。

外に出れば、もう真っ暗。

10月の午後7時といえば、当たり前か。

しかし、あんなに捨てる書類の量が多いとは思わなかった。

自分なんかが言うのも何だけど、もっと容量よく捨てようとは思わないのか。

こう…少しずつ少しずつ。

何年分もためておくなんて。

封筒の名前を切り取るだけでも大変なのに。

しかも途中でシュレッダーが壊れるという大事件。

手作業でいつまでも仲良しな文字たちを引き離していく。

文字たちには、少し悪い気はしたけれど。

…で、今に至る。



「…遅くなってしまったな」



星空が瞬く帰り道。

今日も無事終わりを迎えることが出来た。

さあ、お腹も空いたし、駅へ向かうとしようか。
< 79 / 393 >

この作品をシェア

pagetop