内実コンブリオ
「…ど、どこで…降りんの…?」
息が上手く出来ない。
「何なん、お前。そんなに俺とおりたくないんか」
まさにその通りです。
わかっているなら、もう構わないで。
ただでさえ揺れる電車の中。
足がまるで寒さで震えるかの様に止まらない。
体が支えられない。
「んん?どうしたん?足が震えとるやん」
パシッ…―
自分の手の平に強い衝撃。
何やらゴツゴツとした感触を一瞬感じた。
頭の中がこの2つの情報だけで何か答えを出そうとしている。
唖然とした頭のままで見上げる。
水川を見てみれば、驚いた表情をしている。
やってしまった。