内実コンブリオ
「へぇ。大人になったらそうやって反抗できる様になったんや?」
いつまで経っても馬鹿野郎か、こいつは。
これはれっきとした正当防衛だ。
男の人に足、しかもお尻付近を触られそうになったら、誰だって嫌がるわ!
しかし、今の自分の状態でよくそれが出来たなと思う。
「嫌がり方を知ったってことは、男でも出来たな?」
いつまで経っても本当に気持ち悪いな、こいつは。
成長無しか。
「…残念ながら」
「そりゃ、お前やもんな。当たり前か。くくくっ」
本当はそうなりそうな人はいるけど、いちいち私的なことをこんな奴に言う必要性なんてどこにもない。
むしろ言うだけ無駄というもの。
「何なら、もっぺん俺が虐めたろか?」
次の駅でやっと降りれる。
もういやだ。
早くはやく…!
心の中で何度も何度も叫ぶ。
それでも時間は自分を味方してはくれない。