内実コンブリオ
「おはよう!…て、あら?どうしたん?」
「おはようございます、角野先輩。何も無いですよ」
「なんもなくなさそうやん」
「大丈夫です。退屈なくらい通常どおりです」
そう、いつも通り。
昨日のことは気にしない。
え、昨日?何かあったっけ?くらいの勢いでいくことにする。
あの出来事は悪夢。
ただの夢だった。
きっとそうに違いない。
「大丈夫とか言いながらなんやねん、その顔。眉間にシワよってんで」
そういうと角野先輩は自分の眉間によせられたシワを取ろうと、手を顔に添えようとしてくれた瞬間。
フラッシュバック。
昨日のことがすべて帰ってくる。
パシッ。
ほら、また来た。
昨日を思い出して、昨日と同じ動作をする自分。
昨日と大きく違うのは、相手。
角野先輩が、あんな奴とリンクするなんて。
あまりにも違いすぎるのに。
同じことといえば、昨日のあいつの様に大きく円く見開かれた角野先輩の目。
しまった。
と思った時には、もう遅かった。